仕事が面白いアジア
東南アジアに全く興味の無かった私は、大抵の場合ニュースでしかその現状を知りえることが出来ませんでした。ニュースと言っても、大抵は工場が出来たとか、最近は○○の分野が大変成長しているとか、その程度のお話です。ちなみにアジアが好きかと言われると、北米の方が個人的には好きです。旅行ならいいでしょうけど、住むと疲労感の方が大きいですからね・・・ココは。
ゴミゴミした屋台で、値段を言い合いながら麺をすすっているよりも、国立公園で山を見ながらキャンプする方が、私の趣味には合っているのです。もちろんアジアがつまらないと言っているわけではなく、仕事の中身などを考えた時にはずっと幅が広く面白いと思います。
タイは想像以上に発展した国だった
さて、タイで最初に驚いたのは高速道路の充実ぶりと、大きな看板広告の多さでした。片側2~3車線の道路が縦横無尽に走り、そこを埋め尽くさんばかりの日本車が走ります。おまけに、ただ車が流れているだけでも驚きなのに、高速道路ですら大変な渋滞を引き起こしています。それだけ車両台数が多いのです。電車の車窓からはゴルフの打ちっぱなしや、沢山のビルやマンションも見えるので、千葉あたりの風景と全く同じに見えます。
もし私が世界を旅する観光客であれば、京成スカイライナーから見える風景より、ずっとこちらの方が近代的で、経済的に発展しているようなイメージを感じるでしょう。
何故ならただ発展しているだけではなく、今日も明日も伸びようとするオーラが全体から出ているからです。
すぐに感じたのは、『ぼーっとしている日本は、本当に抜かれてしまうのではないか・・・?』との懸念でした。それだけここのインパクトは、他のASEAN諸国と比べ一味違うものがあります。
以前ハノイで、『バンコクは乱開発で緑が消えました・・・』と、どなたからかお聞きした事があります。昔は緑であふれ、ビルなど無かったそうです。正に、今のベトナムの風景がそれに当てはまるのかもしれません。既にビルはいくつもありますが、まだまだ余地は沢山あります。
発展のポイントは都市鉄道と自動車
これらを見るに、一番の大きな鍵は『鉄道』と『車』である事に気がつきます。タイには高架鉄道と地下鉄が走りますが、これらが都市化を加速させ地価を向上させたのは間違い無いでしょう。また日本を始め世界に輸出するための車を作っていますから、国内で走る自動車台数も相当のものです。人の移動が増せば増すほど、投資が増え、そして都市は発展していく・・・。当たり前のことなのに、ここを見ていると改めてそれを実感するのです。
ちなみに、まだまだビルを作っている風景や、空き地を沢山見かけます。これだけ発展しても、終わりではないのでしょう。
ベトナムも、いよいよ都市鉄道の建設が始まり、高架用の柱が立ち始めました。きっと数年後には開通して、街に溶け込んでいくのだと思います。タイの高架鉄道を眺めながら、『この沿線も昔は、ハノイと同じ風景だったのかな~』と思い、感慨にふけるのでした。