旧型機材からA350-900とB787-9への更新
現在ベトナムエアラインで最も多く就航しているのは、エアバスA321です。大型機材ではエアバスA330、ボーイングB777-200が続きます。この先旧型機材は新機種へと移行する事になっていますが、一機種に絞らずエアバスA350XWBとボーイング787のそれぞれ最新機材が並ぶ事になったのです。
既にアジアではLCCを中心に市場占有率の高いエアバスと、若干の遅れもって続くボーイング。この両者の争いが、ベトナム航空の新機種選定においてぶつかりあったと言えます。
意外かもしれませんが、実はベトナムにはボーイング向けの航空機部品を作る工場があります。
A350XWBの導入が決定した後、エアバス向けのいくつかの部品製造に関連して、ベトナムで新たに工場が開設される可能性が報道されていました。
エアバス機を導入する見返りとして、新たな産業の進出を求めた可能性は否定出来ません。ベトナムの特殊性故に、機材一つとっても色々なところで影響が出てくるのです。
古き良きベトナムエアのエコノミー座席
さて本題に入りましょう。今回はJALのコードシェア便JL5001としてベトナムエアラインの機材に搭乗しています。
こちらはA330の座席。思い出せば、昔私が初めてベトナムへ旅立った時もこの機材でした。
A330でも新型座席が配置されている場合もありますが、まだまだ古い機材の方が多いようです。JALと比較すれば古さを感じますが、座面が厚く座り心地は決して悪くありません。
非常に古い形式の液晶画面と、ソビエトカラーな変わったノブ。世界中の飛行機でノブに色を塗っているのはベトナムエア位なのではと思います・・・。
旧ソ連の飛行機にでも乗ったような気分になりますが、アクセントになっていて悪くはありません。
なお画面はついているのですが、一度としてエンターテイメントを楽しめた事はありません・・・。映す気が無い。そんな言葉が適切です。
相変わらず美味しいベトナムエアの機内食
ベトナムの人がご飯の味にうるさい事は以前から触れてきましたが、ベトナムエアもその辺手抜きはありません。まずは怪しい日本語フォントが使われたメニューが配れられます。怪しいフォントだからこそ、俺はベトナムエアに乗ったんだ!と言う実感が湧くものです。
続けておつまみの配布。ネーミングもストレートにOTSUMAMI。他の航空会社より袋が大きめです。中には各種あられとおかき。
成田近くの普通の業者が作っているようですが、私はJALのおつまみより断然好みです。
JALの物は亀田製菓のロゴが入っていますが、柿の種の味はまあまあだし歯につまるんですよね。あられも歯につまらないわけではありませんが、歯ごたえが軽いのでマシです。
続いてメインの機内食。メニューには洋食と書かれていた気がするのですが、どう見ても中華かベトナム料理です。この適当さが俺はベトナムエアに乗ったんだ!と言う実感を与えてくれるのです(2回目)。
肝心のお味ですが、メインからデザートまで全て美味。まず春雨入りのシーフードサラダですが、シーフードはしっかりしているし春雨と具材の感触が絶妙。
メインのチキンとチャーハンは見た目よりもピリ辛で、お酒とも合うかもしれません。ケーキも甘すぎずさっぱりしていて、とても良かったです。
私の場合ベトナムで国内線に乗ることが多いので、短距離線のサンドウィッチをいただく事が多くあります。あまり日本人には評判が良く無い軽食ですが、私はいつ食べても美味しいと思います。
ヨーロッパの航空会社のサンドウィッチなんてパッサパサで全く旨味を感じませんし、それに比べればソフトで味のある美味しいお食事です。
翼が油汚れでいっぱいでも(大丈夫なのか)、窓が水垢でいっぱいでも、トイレのドアは蹴らないと閉まらなくても、機内食は手を抜かないベトエア・・・。
ある意味でこれはこの企業の強みではないでしょうか。
ベトエアはANAのような外資の投資を受けるのか?
現在は国の影響力が強いベトエアですが、近々外部からの投資を受け入れるとの話があります。報道なので信憑性は低いですが、ANAが出資するのではないか?との噂すらあるのです。偉い人の話によると日本の企業または投資家と交渉しているのは間違いないそうです。
最近ANAは路線の拡大や投資に力を入れているので十分考えられる話ですが、どちらかと言うとJALの話が出てもおかしくない気がします。
アライアンスが違うにも関わらずコードシェアを行っていますし、ノイバイ空港にはJALUXの店舗が出来るなど、JAL系の色が根強いからです。
あまり関係無いかもしれませんが、最近導入された787-9のエンジンはGE製でJALと同じ、またA350XWBはJALのみが導入を決定しています。
部品の調達や整備で協力が出来そうなのはJALの方です。現在はスカイチームアライアンスに属するベトナムエアラインですが、今後スターアライアンスやワンワールドへ移籍する可能性もあり、変革から当分目が離せません。
2016/1/12追記:
ANAのプレスリリースによると、ベトナム航空の株式を8.8%、約130億円で取得する事が正式に決まりました。これでJALとのコードシェアが無くなり、ANAとのコードシェアが増える事になるでしょう。
(東京ーハノイで見るとJALは便数が毎日1便になってしまいます)
ANAのプレスリリースによると、ベトナム航空の株式を8.8%、約130億円で取得する事が正式に決まりました。これでJALとのコードシェアが無くなり、ANAとのコードシェアが増える事になるでしょう。
(東京ーハノイで見るとJALは便数が毎日1便になってしまいます)