元々は車道中心だったグエンフエ通り
こちらは2013年のグエンフエ通り。最初の写真と反対側から撮影していますが、見ての通り左右に歩道はあるものの自動車用の道路と路上駐車スペースになっています。バイクと人混み(最近は車も)ばかりのベトナムにあって、何故か非常に静かで”聖域”のようでした。混雑嫌いの私が最も好きな場所であったと言っても過言ではありません。
2015年の様子。
見ての通り車道はサイドに押しやられ、真ん中は歩行者天国となりました。これであればちょっとしたイベントをやっても全く問題が無い広さです。
写真は昼間なので暑くて誰もいませんが、夜になると若者が押し寄せて賑わいを見せています。
ちなみに工事中はこのような状況でした・・・。
これからモータリゼーションが激化するベトナムですが、あえて今の段階で道を潰してしまうのが面白いところです。以前であれば車が横断出来た部分も埋められていますから、遠回りで渋滞を引き起こす事も考えられます。
そう言えばHCMCの人民委員会は車の増加を良しと思っていないそうで、総量規制の検討が度々報道されています。
既に出来上がった街に駐車場や新たな道を増やすのは大変ですから、むしろ車が増える前に抑える方法を作ってしまおうと言う魂胆なのかもしれません。
昔関東大震災が起こった東京でも、『これからは車が増え、ついでに都市化もしていくから、それを抑え込もう』と復興時にあえて交差点や道路を広くとって、極端な集中を阻止しようと奮闘した人が居たそうです。
もちろん現在のぐちゃぐちゃな街を見るに、それは失敗してしまったわけですが。
東京駅行幸通りに似ている??
改良されたグエンフエ通りを見て真っ先に思い浮かべたのは、東京駅から皇居へと伸びる行幸通り(正規名称は都道404号線皇居前東京停車場線)です。2010年にアスファルト舗装だった部分をタイル張りにして、誰もが歩ける歩道として公開されたのですが、車の横断を禁止したり、突き当りに歴史のある建造物がある点など非常に似通っています。
完全な推測ですが、ホーチミン市の偉い人が東京へと視察にやってきて”この方法は素晴らしい”と自らの街を思い浮かべたのかも・・・?。
一度街が発展してしまうと修正は困難ですから、まだまだ発展途上の今のうちに、やれる事が多そうです。