スイスとオーストリアに挟まれた小さな国、Liechtenstein リヒテンシュタイン
スイスとオーストリアに挟まれた小さな国、リヒテンシュタイン公国。地図を見ると一見アクセスの悪そうな辺境の地に見えますが、流石ヨーロッパだけあって、高速道路や鉄道がしっかりと整備されています。
私は車を借りてドイツのフランクフルトから、スイスのチューリッヒを経由して入国したのですが、チューリッヒの街からは1時間半ほどで訪問する事が出来ます。
制限速度があるとは言え、スイス国内の高速道路は”120km制限”なので、100kmほどの道のりなどあっという間なのです。
いきなりフォードマスタングに煽られる
高速を降りて首都ファドゥーツの街中へと進みます。降りてすぐ後ろに現れたのはフォード・マスタング。道路の脇では羊や牛がのどかに休んでいるのですが、こんな場所で400万円はするマッスルカーが煽ってくるのはどうにも不思議です。その後も優雅なベンツやBMWばかりが幅を利かせ、この街=国の潤い度が見えてきます。アウディA5で行ったのですが余裕で舐められます。
首都ファドゥーツから溢れ出る優雅さ
車を停めて首都ファドゥーツの街中を歩いてみます。低層のお洒落なビルが立ち並び、時折ガラス張りのカフェが散見されます。明らかにお金を持っていそうな諸先輩方が、朝の9時から優雅に朝食を楽しんでいました。物流が良くなった今では、こんな山奥でも普通にお寿司が食べられるようです。
規模は小さいながら高級ブティックや時計店も立ち並んでいます。一番目につくところに置かれていたのはパテックフィリップ。世界三大時計の一つに数えられ、一本300万円はします。
買う層の違いを見せつけられました。実は一度付けさせたもらった事があるのですが、腕にスッと収まり自然な輝きを放つ一品です。
投資会社とペーパーカンパニー
幹線道路沿いにも沢山の看板が出ていましたが、とにかく投資会社や銀行の名前ばかりが目立ちます。流石のタックスヘイブンです。実際に業務を行っている組織もあれば、ペーパーカンパニー(事務所はあるが活動実態が無い会社)も沢山あると聞きます。
立派なガラス張りのビル。素晴らしい自然環境がある場所で、毎日山岳高速道路を使って通勤する世界・・・私にとっては縁遠い異世界です。
しかも投資会社だとすれば、そこから遠くは日本やASEANの新興国あたりまで投資判断をしていくわけですから恐れ入ります。正にボーダーレス。スピードの速いベトナムを見てきた私でも、欧州は更に先を進んでいるなとの印象です。
リヒテンシュタインの法人税率
リヒテンシュタインの法人税率は12.5%です(最低支払い額1,200CHF)。他国の例を挙げると、2016年現在のベトナムの法人税は20%、シンガポールが17%、日本は29.97%(平成28年度)ですので、かなり低い値にあるのはお分かりいただけるでしょう。今時法人税率が低くても、シンガポールのように家賃や人的資源の費用が高くなる国もあれば、ベトナムのように他の税金の徴税が強化されて、かえって心的?負担が増える国もあります。
リヒテンシュタインの弱点は、地の利や、拡大を目指す企業にとっては余地が無いとの側面もありますが、”小さいままで良い”、”ネットがあれば場所は関係無い”と言い切れる経営者であれば、案外良いのでは?と安易ながら考えてしまいます。
リヒテンシュタインのレンタルオフィスは結構安い?
せっかくなのでリヒテンシュタインのレンタルオフィスを検索してみました。小規模の事務所がほとんどなので、どの物件も20㎡程度から用意されています。例えばこの物件だと1㎡14EUROですので、一人事務所であれば月3万円ほどで借りる事が可能です。今時ASEAN諸国の首都ではこれよりも高い事もしばしば。
同じお金を使うのであれば、東京のボロくて狭い賃貸に無駄な家賃を払うよりも、遠い国のオフィスに払う方が夢があります。
今回はリヒテンシュタインの実態をお伝えしました。日本では観光地としての知名度の方が高いようですが、別の視点で見ると多くの発見が見えてきます。
かつては国の規模、経済力、人口で物事が左右される事が多かったと思いますが、インターネットが発展した今では、小さな国でも存在感を示せる事が良く分かりました。
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