高級だろうがお構い無し、ポルシェも自由に触り放題
日本のモーターショーへ行った事がある人であれば様子が分かると思いますが、大衆車=自由展示、高級車=柵の外から眺めるスタイルが一般的です。一方自動車大国ドイツのモーターショーは「とにかく見せる、触らせる、座らせる」事が目的になっているように感じます。
写真はポルシェの高級SUVマカンの車内ですが、ロックはされておらず自由に車内の様子を楽しむ事が出来ます。一台だけオープンとの事であれば普通かもしれませんが、同じような展示車が7台程並んでいるのには恐れ入りました。
当たり前の話ですが、実際に運転する場合には車内に座るので、外から眺めるだけでは何が何だかさっぱり分かりません。
日本だと”ハナから客だと思っていない”のか、全く車内を開放しないケースを見かけます。ドイツにおけるオープンな姿勢を見て、日本でのお堅いイメージで敬遠していたポルシェに対して好感を持つきっかけになりました。
ベントレーも超オープン姿勢は変わらず
もう一つの事例です。より高価なブランドであるベントレーでも、一般客に対してのオープン姿勢は変わりません。流石に柵はあるものの、ゆっくり一組ずつ新型SUVベンテイガの車内を公開していました。日本で買うと1台2700万円!もする超高級車ですが、先のポルシェと同様客層に制限を設けていません。
展示会がネガティブではなくポジティブな空間になっている
日本におけるモーターショーしかり、展示会しかり、全般的に比較的”ネガティブ”な雰囲気をまとっている場合があります。一部の企業は一生懸命売り込んでいますが、ほとんどの企業が待ちの姿勢、お金を払って自ら参加しているのに嫌々ふてくされている企業すら見かけます。どうにもぎくしゃくしていて、見に来た側もわざわざ気を遣ってしまいます。
一方ドイツのモーターショーで感じたのは、既存客・将来客(子供を含む)と企業の距離が非常に近い事です。
素直に自らの商品を積極的に公開し、スタッフは自然な笑顔で話しかけてきます。その周りに人々が集い、車について真剣に、そして楽しそうに語り合う姿・・・明るいコミュニケーションの空間が自然と広がっていきます。
もちろん本来の意図と遠い、際どい格好をしたキャンペーンガールはおらず、上品で清潔感のある衣装を纏った女性や男性スタッフが積極的に案内を行っていました。
『商品を好きになってもらう事、顧客と対話をすること』。そんな本来あるべき姿がきちんと実行されている事自体が、非常に新鮮でとても勉強になりました。
次回はドイツ大手メーカーの気の利いたサービスについて触れたいと思います。