iOS10でHomeKitが強化される
(Apple社WEBページより)この時期になるとニュースでもアップルの動向は多々報道されますが、アップルのKeynoteはプレゼンと英語の勉強にちょうど良いので、ネットで配信されている録画版を直接見るようにしています。
iPhone7やApple Watch Series2が人々の注目を集めますが、私が注目したのは非常に地味なホームキットの紹介でした。ホームキットとはアップルの認証を受けた特定の家電や各種デバイスがiPhone等のデバイスで操作出来る機能の事で、既に現在のiOS9にも搭載されています。
新しく配信されるiOS10では機能がより強化され、実用性を向上させる事が紹介されていました。以前からアップルは”リビング=テレビのある空間をとりたがっている”との話がありましたが、皮肉にもiPhoneやiPadの普及で”各個人の手の中がリビング”となってしまいました。
リビングを確保出来たならば、今度は”家全体”を制御する機能を取り入れて、iOSを必要不可欠な存在にしていこうとの野望が透けて見えます。
ホームキットのパートナーに日本企業が見えない
(Apple Keynoteより)ここ最近日本のメーカーから家電部門が続々と切り離されていますが、それでも有名メーカーが全て撤退したわけではありません。しかし今回のKeynote講演で一瞬表示されて驚いたのが、ホームキットのパートナーに日本企業の名前が都度見えなかった事です。
シリコンバレーのベンチャー企業ばかりであれば仕方がないで済みますが、フィリップス、デロンギ、美的(東芝の家電事業譲渡先)、ハイアール、GE(ハイアールへ家電事業売約済)など有名どころの名前も散見されます。
家全体で見るとエアコン、換気扇、鍵、空気清浄機、食器洗浄機・・・などなど沢山の自動化出来そうな部分があり、これまで日本勢だけで食えていた部分に海外メーカーが入ってくる可能性もあります。
今の消費者は正直であり、なおかつ”時間とお金が無い”人が増えている事も事実です。iPhoneでコントロール出来て、安価な製品が投入されれば当然目を奪われる人も出てくるでしょう。
アマゾンで大量の中国製IT家電が出回る日
換気扇と言った据付品はともかくとして、ライトや簡易警報装置など如何にも作れそうなIT家電は大量生産がすぐにでも始まって、今にもアマゾンで出回るのではないかと感じてしまいます。最近は大手量販店の店頭より、大手通販サイトの方が品揃えが多いと感じる事もあります。実際今の時点でもフィリップスのホームキット対応電灯や、Elgato社の環境センサーがアマゾン上で販売されています。
スマートフォンの時も「中国製なんて買うわけないじゃん!」と皆が言っていましたが、結局蓋を開けてみれば台湾発中国製造のHuaweiやAcerの製品を誰もが気にせず使っています。
昔よりも製品の普及速度が上がる中で、気がついた時にはIT家電への移行が一気に進むのではないでしょうか。私は狭い部屋でもリモコンを良く無くすので、全てiPhoneで操作が出来るようになれば非常に気持ちがスッキリします。
一方で日本企業に対する気持ちが消えていないのも事実です。家の中ではまだまだ圧倒的なブランド力を誇る日本メーカーですから、例えソフトウェアをアップルに支配されたとしても、面白いアイディアハードを造ってくれないものかと薄々期待しています。