欧州のマクドナルドでも人件費に悩む?
各国のファストフード業界の動向を見ていると、人材については二つの見方をしていると思います。一つ目は”人が居ない”という事。二つ目は”人件費”の問題です。前者はなり手が不足しているとの意味。例えば日本の都市圏では様々な業態で時給が上がった結果、短期雇用のなり手を探すのが難しいと聞きます。
後者は人件費の高騰が経営を圧迫するとの問題です。人件費が上がるのに比例して売上も伸びれば良いのですが、世の中そう上手くいくものではありません。
国によっては設定された最低賃金がどんどん上がって行く場所もあり、こればかりは各企業の制御出来る範囲外の事象と言えます。
そんな状況を打開するためか、海外で見られるようになったのがセルフオーダーマシーンです。
仕組みはとても簡単で、画面を見ながらメニューを選択してオーダーすれば、後は呼び出されるまで待てば良いのです。支払いはクレジットカードなので、レジで現金を出す必要もありません。
まだまだ試験的導入がほとんどで、スタッフへの直接オーダーも可能ですが、完全にオーダーを自動化して、人は商品を作るだけに専念させる事も出来る仕組みです。
日本のファストフードでは今のところ見かけませんが、くら寿司等の回転寿司では液晶画面にタッチしてオーダーする所もかなり多くなっていますので、実現は決して難しくない事が分かります。
普及によって自動化機材の価格が落ちていく
私は人と会話をしてサービス提供を受ける事には価値があると考えていますが、残念ながらファストフードのようなマニュアル化されたサービス程”あえて人間が対応する必要が無い”側面が強くあります。エラーを起こしやすい人間よりも、繰返し同じ動作をしても壊れにくいソフトウェアとハードウェアの組み合わせの方が、完璧を追求しやすいかもしれません。
今時機械の導入コストと人間の給料を比較する会社も大分多いそうですが、今後自動化された機器・ソフトウェアが普及し価格が下がれば下がるほど、更に人間を雇う価値が落ちていきそうです。
その時人間は”自分の給料を低くオファーする”か、”自動化された機械以下の作業”に甘んじて、何とか職を確保するしかないのでしょうか。
毎日の単純作業だけで月15万〜20万の給料がもらえる黄金期は、今まさに終わろうとしている気がします。
(その前に新興国などの移民の脅威もありますが・・・)