テスラの4WD電気自動車モデルX
テスラと言えばCEOのイーロン・マスク氏の印象が強く、車に疎い人でも一度は聞いた事のあるブランド名称ではないでしょうか。最近では完全自動運転機能の採用(と、世界最初の自動運転死亡事故の発生・・・)や、低価格仕様モデル3の予約開始でも話題になりました。
今回登場したモデルXは全世界で流行中のSUVデザインを採用したモデルです。これまでのセダンタイプではなく、車高が高く後ろに長いデザインを採用する事で、7名乗車を実現しています。
超巨大な割にそこまで広いわけでもない車内
早速ですが内装を見てみます。モデルXは写真で見ての通りかなり大型の車体構成で、横幅2m、全長5mもあります。決して小さいとは言えない、日本の標準的な大型SUVのサイズで横幅1.8m、全長4.6mと言ったところですので、日本の狭い道路に合ったサイズではありません。
後ろの席を見てみると特徴的なセパレートタイプの座席です。気になったのが足元の空間。
この状態で2ndシートと3rdシートの空間はほとんどありませんが、その割に2ndシートの足元にも余裕がありません。
全長が長い割にはボンネットの割合が大きく、日本のメーカーならすぐに取り組みそうな”室内空間の確保”は後回しにされているようです。
確かに私が乗っている国産のSUVにも3列目シートがついていますが、『体育座りシート』であり、実際のところ全く実用性はありません。
せっかく車体が長い車ですので、大人が座れるだけの空間は確保しても良かったのではないでしょうか。
広さの活用は一歩譲るとして、内装の造りは実に先進的でこれを見てしまうと国産メーカーの10数年進化しない内装は一体何?と不思議に感じてしまいます。
高級感を勘違いしたメッキの多用や、ガチャガチャとした線の多さ、チープなプラスチック素材・・・。
一体どんな年齢層の方が設計されているのか、もっと若い人間に任せた方が良いのでは?といつも思います。要は古臭くダサいのです。
天井の高さが気になるファルコンウィングドア
モデルXの特徴として後部ドアは上に向かって開く、ファルコンウィングドアが装着されています。開口部が広がるので、3rdドアまで乗り降りが楽になる優れものです。サイドの空間が狭くても開けるとのことで、日本にはうってつけのドアですが、気になるのは天井。日本の場合天井すらも狭い駐車場が沢山あるので、ドアが開きすぎてぶつからないのだろうかと疑問を持ちました。
モデルXの価格はなんと1000万円!!
頑張れば400km近く走れる走行距離、SUV好きのど真ん中を行くデザイン、ヨシ私も検討しようと思ったら、お値段1000万円超えでした。流石に高価過ぎます。しかしこれでもテスラは割安に提供しようと努力している方かもしれません。
これまでの車とは異なり”ソフトウェア”の概念がはっきりしているので、いちいち工場へ行かなくても機能の変更が自由自在です。
つまりハードウェアとしては事前に組み込まれている機能を、ソフトウェアで意図的にON/OFF出来るので、人によっては不要な機能をOFFにして、その分割安に購入出来るのです。
もちろん1000万円の内の数十万円ですから影響は微々たるものですが、これまでのように買う前にオプションで悩むのではなく、後からでも機能の追加を検討出来るのは、ユーザー目線でとても良いと思います。
ちなみにオプションの中には”HEPAエアフィルトレーションシステム”なる空調制御機能がパッケージされたものもありますが、対生物兵器用のモードも備えているそうです。
一体どこのテロリストと戦うんだよと思ってしまいますが、謎のこだわりが人々をじわじわ惹きつけているのでしょう。
それにしても資金力ではより上をいく日本のメーカーは、どうして新しいチャレンジが出来ないのでしょうか。引き続きハードの進化は続いているものの、”ソフトウェアの概念”がほとんど理解されていないような気がしてなりません。
若い世代からすると、相変わらずiPhoneなどのスマートフォンとすら連携出来ず、インターネットとすら距離を置く車に対しては、違和感を覚えてしまいます。(カーナビメーカーに気を遣ってるのか?とまで思える)
車が自動運転まで出来るようになった時、我々が車に求めるのは正しくリビングの延長線上のようなものでしょう。
その時相変わらず「すみませんネットには繋げません」「専用のカーナビを買うとネットに繋がります」などと日本メーカーが言わないものか・・・非常に気になるところです。