バーカウンターが存在した成田空港のサクララウンジ
最近は色々な媒体で取り上げられるので超有名だと思いますが、JALのサクララウンジと言えばビーフカレーが名物です。以前はランチ以降でしか食べられなかったものが、今では午前中からサーブされるのですから相当人気があるでしょう。しかし私が今回あえて取り上げたいのは”お酒”です。
成田のサクララウンジは先日小規模の改装が行われたのですが、その中で見事に無くなってしまったが”バーカウンター”でした。何とも贅沢な話ですが、ラウンジの一角にひっそりとバーがあり、そこでお酒を作ってもらうことが出来たのです。
日本酒と桜の花びらが織りなす芸術、さくらカクテル
私が一番最初にサクララウンジへ入ったころ、あまりに雰囲気の良いバーカウンターだったのでとりあえず座ってみた事がありました。バーテンダーさんの手元に”桜の花びら”が置かれている事に気が付き、「それはなんですか?」と聞くと、オリジナルカクテルに使うとのことでした。
せっかくなので花びらを使ったお酒を作ってもらいながら、サクララウンジバーの歴史をうかがいます。
昔はシェーカーを使ってカクテルを作ることもあったそうですが、音に文句を言う人がいたそうで、ステア(専用のスプーンで混ぜる)のみになったそうです。
出来上がったカクテルをいただくと、ふわっとした甘い香りと日本酒の甘さがマッチして、非常に美味しくいただけます。大吟醸の日本酒が品切れで、安い方を使ったのことでしたが、それでも十分に満足いくお味でした。
あえて強調するとすれば、バーテンダーさんの落ち着きがこれまた絶妙で、場所・人・お酒の全てがパーフェクトだった気がします。
東京の高級ホテルは別かもしれませんが、繁華街のバーは大体閉鎖的な空間なので疲れてしまう事があります。
こんなにも解放感があって、清潔感があって、そして美味しく楽しくお酒をいただける場所は、お金を払ってもなかなか見つかるものではないのです。
私にとっては衝撃的な体験であったサクララウンジのバーでしたが、気が付けば見事に消えてなくなってしまいました。
『自分の力でこのバーに行けるように頑張るぞ』と本当に自分の目標にした程でしたが、憧れがこんなにもあっけなく消えてしまうものかと、非常に悲しく思っています。
一度潰れた会社故に、稼働率の低い場所を切るのは致し方ありませんが、有料でも、短期間でも良いので、どこかにこんな場所を再現してくれないものかと願っています。