金色ゴテゴテな5番街のトランプタワー
初めてニューヨークの地にやってきた時、見る物全てが発見であったと記憶しています。あらゆる事が新鮮で、毎日毎日足が痛くなるまで歩いてもまだ足りなかったものです。そんな発見の一つが”トランプタワー”でした。
当時日経平均株価やダウ平均すらろくに分からなかった私が、トランプ氏に関して知っているのは名前だけであり、なんとなく大金持ちなのだろうということだけは頭にあったわけです。
旅立つ前に付き合いの深い先輩から「超円高だからルイ・ヴィトンでも見てこい」と言われ、5番街のルイ・ヴィトンに入っていった私。
しかし残念な事に交通費以外はほとんどお金を持っていません・・・。ああ、いつか買ってやるぞと思いつつ何も買えずに店を出ると、少しして目の前に現れたのが金色の素材で覆われたTRUMP TOWERの文字でした。
一目見た私の印象は『うわ、なんだこの成金趣味、最悪だな』という非常にネガティブなものでした。
ビル自体はいかにもニューヨークな感じでカッコイイのですが、いかんせん正面のゴールドカラーの主張が強すぎて下品さを感じたのです。
「こんなギトギトしたビル建てる人間はろくな事にならんぞ」と悟ったのですが、皮肉にも一国の大統領にまでなってしまうのですから、世の中何があるか分かりません笑。
デカい事をする人間は更にデカくなる。
改めて写真を見返していて思ったのは、『はっきりとデカい事をするからこそ、更に上のすごいところまで上り詰められるのかも』ということです。金色のビルは上品とは思えませんが、5番街にこれだけ巨大なビルを保有しているのは事実であり、とても簡単に真似出来る事ではありません。
まさか自分が大統領になりたい訳ではありませんが、小さな事に対して大変な時間をかけている自分を振り返って、これではずっと同じ人生の繰り返しだなと非常に悔しい気持ちで一杯になります。
例え上手くいかなくても、もっと大きな事でとことん悩み尽くす位の事をした方が、楽しくなるような気がしてきました。