カナダ国境ですらスムーズではない入国審査
アメリカのシアトルからカナダのバンクーバーまで車で国境を越えた私。国境ゲートの先に見えたのは、アメリカへの入国審査を待つ車の大渋滞でした。入国審査のゲートは料金所と同じ方式で、運転席から窓を開けてパスポートを渡します。座ったまま様々な質問を受け、問題がなければ入国スタンプを押してくれるのです。
そもそもカナダは国土の防空(防衛)でも協力する程の友好国のはずですが、主にカナダ人の方を入国させるだけでも、ここまで待たせるのかとかなり驚いたのでした。
南部メキシコ国境は麻薬の密輸入や不正入国が多く、怪しい場合は車の隅々までチェックされるとの噂を聞いていましたが、他国→カナダ→アメリカの”遠回り入国”も多いようで、こちらの入国管理の厳しさも相当なものがあります。
日本人にも容赦無し。「お前は嘘つきだ」と断定される!
カナダの人でも大変なアメリカへの入国。日本人も例外ではありません。彼らからすれば日本人でも、アジア人でも、アラブ人でも皆同じ外国人であって、「この国籍だから優しくしよう」と言った事は一切無いのです。ある意味平等に、適切に、審査を受ける事になります。
入国審査レーンはいくつかあるのですが、誤って”車の動きが遅いレーン”に入ってしまいました。「嫌な予感がする」と思ったのですが、これが見事に当たって非常に厳しい入国審査官に巡り合う羽目になります。
基本的な質疑応答を繰り返し下手な英語ながらスラスラ答えていくと、う〜んと少し悩んだ顔をしてパスポートを返してくれました。
去り際に一言「お前の話は信用しない」と決め台詞。何だこいつは?!と入国審査官に初めてムカッときたのでした。
日本人が車で国境を越えるのがそこまで多くないので疑ったのでしょうが、どうも上から目線すぎて不信感をいだきます。
先日まで日経新聞で掲載されていたカルロス・ゴーンさんの私の履歴書でも触れられていましたが、今後も『グローバル化』はとどまるところを知らないでしょう。
ところが紛争やテロで物理的に行けない国が増え、ヨーロッパも含め国境はどんどん閉鎖的になっていきます。我々が望む世界と現実がどうしてこんなにも乖離してしまうのか・・・息苦しさを感じずにはいられません。