年利7%の一見儲かりそうなベトナムドン定期預金だが・・・
ベトナムの今年のインフレ率は概ね3〜4%程度。つまり現金で100万円分のベトナムドンを持っているとすれば、1年後には96万円分に価値が目減りする事になります。現金で持っていても価値が落ちるだけですから、賢い人は増やす事・減らさない事に目を向けるわけです。
(一方で現地の人には『だったら使ってしまえ!』という発想もあるそうですが!)
投資なり、ビジネスをするのもベトナムの方の発想としては当然でしょうが、預金金利7%であれば、定期預金してしまうのも手かもしれません。
100万円分預ければ、1年後に107万円分になって戻ってくるのです。一見楽して儲かりそうなベトナム預金ですが、リスクや障壁が当然の事ながら存在します。
①銀行倒産リスク
ベトナムの人を見ていると羽振りが良いなと思う事があるのですが、現地の方から”銀行を信用していないから、タンス預金をしたり、預金をしないで現金をどんどん使う人が結構いる”と聞いた事があります。実はベトナムの多くの銀行には不良債権が存在し、華やかな見た目の店舗とは裏腹に全てが健全であるとは言い切れないのです。
もちろん少しずつ債権を整理して、健全化に向かっているのでしょうが、もし倒産してしまえば預金は消えてしまいますから、大きなリスクであると言えます。日本のように預金保険制度があるのかどうか・・・。
②外国人は口座を開けない?!
ベトナムに住んでいる人、赴任した人など、居住者となっている人は問題無いと思いますが、旅行者などの非居住者は口座を開けない事が多いようです。以前は開けたと記憶していますが、ルールや法律がころころと変わる国ですから、こればかりは今現在の事実を受け入れるしかありません。
③海外送金が難しい
どうにかこうにか口座を開けて預金が出来たとしても、最後に懸念されるのが預金を外国に持ち出せない状況です。新興国にありがちなマネーロンダリング先として使われる事を懸念してか、預金したお金の出所を確認されたりと、海外送金自体が容易ではありません。
そもそもこれらのやり取りを、ベトナム語メインの窓口で行う手間を考えると、手間が多すぎるような気もします。
世の中美味しそうな話には必ず裏があるもの。資産の運用については、様々な手段を組み合わせてコツコツと続ける方が、損失のリスクを減らせるように思います。