海外の交渉では"小さな条件"で引っ張りこんでくる
何故だか以前は見向きもされなかった旧ニッコーハノイホテル(建物は同じだがブランドが外資に変わった)で事前会談が行われるなど、日本とも縁を感じずにはいられない今回の会談。テレビでは会場がどこかという話で盛り上がっていますが、そんな事は重要ではなく、どうやらアメリカ側が譲歩したかもしれない、という点が非常に気になります。
本来アメリカは悪いと思った相手とは交渉しない筋の国です。”テロリストとは交渉しない”。そんな厳しいセリフをどこかで聞いた事のある人は少なくないでしょう。
北朝鮮はついこないだまで”悪の枢軸”と呼ばれていた国であり、まさかそんなシビアな相手の言う事を簡単に呑んでしまうとは思いもよりませんでした。
大きな交渉前の”小さな要求”は、相手を引き込むための口実であると考えられます。一見問題無さそうな要求で譲歩を引き出して、相手を自分の空間へとずるずる引っ張り込むのです。
『どうしても交渉を成功で終わらせたい!』などと焦ったら最後。相手は足元を見て、より強気な要求を出し続けてくる事でしょう。
そもそも腹の中が見え切っている交渉など、もはや交渉とすら呼べないかもしれません。
噂にしかすぎませんが、各種ニュースソースを見ると、大統領がやたらと”ノーベル平和賞”にこだわっている節があります。
トランプ氏の最終目的地が噂通りだとすれば、北側にとって美味しい状況が揃いつつあると言えるのです。
教訓としては、出だしで安易に要求を呑むべきではありません。最初に要求を呑むと、感情やら体裁やら色々な条件が邪魔して、後で後退や方向転換がし辛くなります。
相手にとっての不安要素も必ずありますから、それを見つけて、逆にこちらから相手を引き込むようなアプローチをすれば良いのです。