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2020-04-28

チェコの自動車メーカー"シュコダSKODA"の製造工場を見学する|ムラダーボレスラフ チェコ

skoda-museum
観光地として人気のチェコ共和国。実は有名な自動車メーカー”シュコダ”があり、外国人でも自動車工場の見学を行う事が出来ます。(2019年末訪問)




シュコダSKODAとは?

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ヨーロッパ車といえば、メルセデス、アウディ、BMWといったハイブランドが有名ですが、日本では販売されていないブランドもいくつか存在します。

その一つとして名高いのが、チェコの自動車メーカー”シュコダ”です。元々は国営企業でしたが、現在はVWグループの一員として日本を除く世界中へ輸出されています。トヨタがレクサスという別ブランドを有するように、VWグループはアウディやポルシェなど複数のブランドを傘下に置き、広いレンジで自動車を提供しているのです。

シュコダ車の特徴として聞かれるのが以下のようなポイント。

・値段が安い割に造りがしっかりとしている
・デザインが落ち着いており、洗練されている
・アイディアを凝らしたユーザー目線の便利機能が装着されておりファンが多い

決して高級車ブランドでは無いものの、他社とは違う独特のアプローチがユーザーに受けているようです。

一人1000円で専属ガイド付自動車工場見学!

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(SKODA WEB PAGEより)
シュコダ社はユーザーを大切にしているためか、複数の製造サイトで見学を受け入れています。我々はプラハから車で一時間の街ムラダーボレスラフ MLADA BOLESLAVに位置する主力工場を訪問しました。本社(HQ)ミュージアムも設置されており、正にシュコダ城下と言える特別な場所です。

見学方法は体系化されており、ネットで誰でも予約する事が出来ます。日本の工場だと10〜20名のグループでないと受け入れないなど制約が多くあるのですが、もちろんそんな事はありません。

チェコ語の他、英語のガイドさんもいらっしゃるので、予約時に言語と人数を選択すればOK。一点注意すべきは”必ず車で訪問し、一人分の空席も必要”というところです。

どういうことかと言うと『ガイドさんが車に乗り込んで一緒に工場の敷地内を移動する』という、日本では信じられないシステムが採用されており”立ち入り禁止の工場内を自分で運転する”という貴重な経験が出来てしまうのです。ガイドさんと雑談をしながら運転するという高等テクニックが要求されるので、そこそこの英語力は用意しておきましょう。

90分のツアーで専属ガイドまでついて、お値段一人260CZK(2020年4月現在のレートで1000円ほど)。海外企業の工場見学は有料が多いですが、断トツの安さでした。

蛍光ベストを着用して出発

BMW X1 20d
指定の集合場所であるSKODA MUSEUM(シュコダ博物館)で料金を支払い、ガイドさんと合流します。安全のため全員蛍光ベストを着用し、いざ近くの工場へ出発です。

空気が読める方であれば、SKODA オクタビアOCTAVIAなど売れ筋車種をレンタルして参上するでしょうが、私は縁あってBMW X1 20d Xdrive(しかも無駄にMスポーツ)を借りてしまいました。関係無いですが20dのディーゼルエンジンは最高です。

人よりロボットが幅を利かせる工場

SKODA kamiq
工場内は撮影禁止なので、言葉のみの説明となります。

工場見学ではいくつかの施設を回る事が出来、

1.素材の製造ライン
2.ドアや骨格の製造ライン
3.実際の骨格を使った構造の説明(実際に触れる)
4.組み立てライン(我々が見たのはファビアFABIAの組み立てライン)

というように車がどのように出来ていくか順番に説明いただけます。

衝撃的だったのは『工場内に思ったよりも人が居ない』という事です。日本メーカーの自動車工場も見た事はありますが、それと比較しても明らかに機械が幅を利かせており、工場の大きさに対して工員の数が抑えられています。

鋼板を切断する機械がコピー機のように巨大な鉄の板を吐き出す様や、溶接機械がグネグネと動き回る様はまるでターミネーターの工場のようです。てっきりファナックなどの日本製ロボットばかりかと思い聞いてみると、半分以上は中国資本のアメリカメーカー製との事でした・・・。

工員の方の揃え方も独特で、スロバキアなどの東欧からの出稼ぎが多いとのこと。シュコダの販売価格が安いのは、ロボットや出稼ぎ労働者の多用で、大きなコストとなる人件費の抑え方が上手いからではないかと考えました。

部品のはめ込みを中心に人の手が活用されますが、余裕のある造りをしたラインを見るに、”全部自動化しそう”な様子すら感じます。部品の少ない電気自動車への発展を考えれば、それも当然かもしれません。

カンバン方式を採用

この工場も当然の事ながら、ジャストインタイム方式を取り入れており”ああカンバン方式ですね”と話すと、日本語のまま通じました。元々トヨタが始めた方式ですが、チェコの自動車会社もそれを当たり前のようにやっているのだなと改めて実感します。

部品が納品される様子も見せてもらいましたが、全く日本と同じ。ホイールやら内装部品がサプライヤーから逐次供給されます。

従業員に配慮した休憩スペース

過去いくつか見てきた日本の工場と比較して思うのは、従業員への配慮は上なのではないかという点です。

製造ラインの脇を見ていると、数カ所に分けて”小洒落た従業員の休憩スペース”が置かれています。少しオシャレなテーブルや綺麗なロッカー、冷蔵庫や電子レンジまで置かれており、ここなら気持ち良く休めそうです。

また社食に補助を出しており、ランチは1ユーロ相当で食べられるとの事でした。EU圏内から人を集めるのは難しくなさそうですが、人を大切にする事で良い車の製造につなげるという事なのかもしれません。

これからの時代にあった生産体制

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今回の工場見学は質問をしながら周れるという点で、過去最高と言える素晴らしい経験であったと思います。

訪問後に素直に思った事は『シュコダはこれからの時代に生き残りやすいのではないか』という点です。強いお客様視点の追求はもちろん、人材コストをコントロールしやすい(東欧という場所柄採用もしやすいし、切りやすくもある)というのは大きなアドバンテージであると考えます。

最近は自動運転のテストをしやすい場所が、自動車産業としては最適という事もあるそうですが、チェコの道路は余裕そのものですからいざ研究となったら実績を積み上げやすいでしょう(もちろんそのような研究は親元であるVWが中心でしょうが)。

詳しくは見られませんでしたが、電気自動車(PHEV含む)の拡大に向けてか”試験設備(恐らくEMC系)”を増強中との話もありました。

シュコダは日本人には無名のメーカーですが、中国を含め数十カ国へ輸出され着実にユーザーを増やしているそうです。アジアなどの海外で見ると韓国のKIA等日本車以外が非常に伸びているので、日本メーカーの強さというのが相対的に萎んで見えるところです。

おまけ:SKODA車の超個性的な便利機能

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(SKODA WEB PAGEより)
Aピラーに装着されたチケットホルダー!!

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(SKODA WEB PAGEより)
アイススクレーパーとタイヤゲージ!!(兼用!!)

ACCESS: SKODA MUSEUM(工場見学集合場所)



SKODA : Tours




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