AIサマリー
- 新型ディフェンダーの価格帯は700万円から2,000万円程度まで幅広く設定されている。
- 内装のクオリティにおいては、「シンプルな中にある高級さ」が際立っており、素材や操作感にこだわりを感じる。
- フルデジタルメーターやカラーヘッドアップディスプレイ、液晶パネルなど最新のテクノロジーが採用されている。
- アームレスト内にはクーラーボックスがあり、飲料の保管に便利な装備となっている。
- ドアを開ける際に後方警戒装置が作動し、衝突事故を回避できる安全性も高評価。
全体的な印象
新型ディフェンダーの価格は700万円程度から、高い仕様では2,000万円程度までと、幅広い価格設定がなされています。最低ラインである700万円でも、自動車の価格帯としては高いレベルにあると言えるでしょう。高級車において当然のことながら期待してしまうのは、内装に対するクオリティです。
最近の高級車のトレンドとして”エシカルな素材を使う”、”液晶画面などを多用して次世代の雰囲気を出す”、”LEDによる間接照明の設置”、”メッキや複雑な局面を多用する”など、10年ほど前とは全く異なる方向性が見えてきます。そのような流れの中でディフェンダーのデザインは非常にシンプルであり、直線の部分が多く、装飾は少なく抑えられています。その影響か『高級車の割にシンプルすぎる』との声すら聞こえてきますが、それは正しい評価とは思えません。
高級な家具やブランド品を見てみると、シンプルながら工程や素材に徹底的にこだわり、五感に響く製品づくりで成功するパターンも少なくありません。競合と比較した場合、新型ディフェンダーはそのような「シンプルな中にある高級さ」を醸し出すことに成功しているのです。ボタンを触れた際の重さ、素材に触った時の感触の良さ、革の滑らかさなど、内装のどの部分を触れても、良さを感じられる車は決して多くありません。
元より万人受けを狙っていない車である事は外装からして明らかですが、内部の仕様についても『分かる人には分かる』を狙っている部分が、車好き・マニアの心を揺さぶります。
フルデジタルメーターとHUD
詳しく内装をご紹介していきます。まずは運転席。最新の車らしく、液晶画面によるデジタルメーターとなり、カラーヘッドアップディスプレイー(HUD)との併用により、走行中必要な情報を十分に提供してくれます。デジタルメーターに対しては賛否ありますが、新型ディフェンダーのメーターは適度な角度で寝ており、メーター内の情報が整理されているので非常に見やすく感じました。
デジタルメーターの表示内容はステアリング上の選択ボタンを操作することで、容易に変更することが出来ます。こちらは平均燃費や走行距離を表示するモード。
標準ナビゲーション連動の地図表示モード。残念ながらiPhoneと接続して使用するApple CarPlayの各種地図とは連動しません。
ステアリング右側にはクルーズコントロール関連のスイッチが置かれます。車線マークはレーンキープアシストのスイッチ。ステアリングヒーターもここで操作可能です。ボタンの操作感はカッチリと大きめ。
ウインカーレバーは外国車のセオリー通り左側ですが、ライト類の操作系は日本車と同様で、フォグランプスイッチも一体化しており効率的な配置です。
ガラスルーフ
頭上にはガラスルーフとシェードが設けられています。シェードはフロント座席部分だけではなく、後部座席の頭上まで広くオープンになるので、車内が非常に明るくなり、開放感に包まれます。2列目、3列目の人もドライブを楽しめる装備です。
もちろん前方のガラスはオープンもするので、晴れた日は日光と風の両方を感じながらドライブを楽しむことが出来ます。
センターコンソール
中央のコンソール部分に目を向けると、液晶パネルと、シフトレバー、エアコンやエアサスペンションの操作系が設置されています。シフトレバーは同じグループのジャガーや他のランドローバー車で見られるタイプです。
ダイヤルを回すと左右座席で独立してエアコンの温度調整が可能。更に驚くべきはダイヤルと押すと”シートベンチレーション設定モード”に切り替わること。多段階調整型のシートヒーターに加えて、シートクーラーも備わります。
スイッチ類が備わるものの、ほぼ全ての機能系はコンソールディスプレイ上でも操作出来ます。ユーザーインターフェースはmacOSのように分かりやすいグラフィックで、初見でも全く迷わずに各機能へアクセス可能です。
バックギアに入れると自動的に表示されるのが、アラウンドビュー。カメラの映像を合成して、自車の俯瞰映像を表示してくれます。車体が細長く見えるなど、若干の違和感は覚えますが、大きな車体故に周囲を確認出来るのは助かります。
ベンチレーション付シート
シートは海外の設計だけあって、体系の大きな人にも対応した、しっかりとした造りになっています。先にご紹介したベンチレーション機能のお陰で、暑い時でも寒い時でも、常に心地良い状態を保てます。
電動パワーシートの操作スイッチはオーソドックスなもの。欧州車では多く採用されているランバーサポート調整機能を使用すれば、背面のフィット感を調整出来ます。
アームレスト内クーラーボックス-ミニ冷蔵庫
運転席と助手席の間にはかなり大きめのアームレストが設置されており、ついつい無駄に腕を置きたくなります。アームレストの中は収納かと思いきや、なんとクーラーボックス=ミニ冷蔵庫でした。2段階式で、スイッチを入れると壁面の冷却材がボックス内を冷やす仕組みです。試しに500mlのペットボトルを入れてみましたが、見ての通り容量は大きくありません。しかし冷え方がエアコン流用式のクーラーボックスとは比較にならないほど強力です。
本来の使い方とは異なりますが、私はお土産に買ったしらすをビニール袋に入れて収納してみたところ、完璧な保管状態でした。わざわざサードパーティのクーラーボックスを車内に置くのはかさばりますし、簡易冷蔵庫内蔵というだけでやたらとプレミア感が出るので、地味ながらディフェンダーの優良装備の一つと感じます。高さが微妙なところですが、もしかしたらシャンパンのミニボトルを仕込んで007風車中泊が出来るかもしれません。